パチンコ店が遠隔をする理由
今回はいつも触れているお店のマークについて少し詳しく書きます。
僕は都内で稼働していますが、おそらくほとんどのお店で客をマークするシステムを持っています。
まず最初にお店はなぜ客をマークするのかという点について書いていきます。
(なお、僕は厳密な意味でお店がどのようにマークしているかは知る由もないですが、マークされているであろう事象や経験をかき集めた蓄積によります。)
お店が個人の客をマークするということは、簡単に言えば遠隔です。
当たり前ですが違法です。
でも考えてみてください。
お店はそもそも釘を曲げるのも違法なはずなのに、ほとんどのお店で釘は曲げています。
でも何故か取り締まることはなく、普通に営業をしています。
また10年ほど前には遠隔をして摘発されているお店が実際にあるということ。
あなたは、家にゴキブリが一匹出たとして、家にゴキブリはその一匹だけだと思いますか?
ある話によれば、一匹出れば家には何十匹もいるという話もあります。
遠隔をしている唯一のお店がたまたま捕まったと考えるより、他にもたくさんの店が遠隔をしているが、たまたま運悪くある店舗が摘発されたと考える方がずっと自然です。
なので、
あなたがよく行くホールが遠隔をしていない保障はどこにもないのです。
ユーザー側ができることは、遠隔される可能性も視野に柔軟に立ち回ることです。
では、そもそも
なぜお店に遠隔が必要なのか。
これはお店の経営の観点から考えると分かりやすいです。
例をあげます。
あるパチンコ屋さんがあるとします。
そこで客が仮に300人いたとして、お店が考える理想的な状態は、300人が5000円づつ負けることなのです。
お店はもちろん営利を求めますから、最低限利益を上げる必要があります。
しかし、長期的な経営を考えた場合、利益を効率的にあげなければいけません。
分かりやすくするために極端な例を挙げます。
同じようにとあるパチンコ屋に300人の客がいたとします。そしてこの日の売り上げ目標は200万円だとしましょう。
この客の内、5人がそれぞれ20万円勝ったとすると、売り上げ目標を達成するには、残り295人から300万円を搾り取る必要があります。
このようなことが継続して起こるとどうなるか。
パチンコの立ち回りがうまい5人がずっと勝ち続け、残りの295人が負け続けた場合、295人の内から賢い人から順に
「この店はなんだかおかしい。」
「いつも同じ人ばかり勝っている。」
「この店に来ても当たらないから別の店に行こう。」
となり、295人の客が徐々に減っていきます。
これはパチンコ屋からするとデフレスパイラルに陥る典型例になります。
出ない→客が離れる→経営が悪化する→さらに見せるための出玉が減る→さらに客が離れる→……と続いていきます。
こうなると、何か抜本的な打開策を打たないといずれ閉店です。
お店にとってどのように売り上げをあげるかは、経営上かなり重要なことであることがわかります。
お店は1人の客から尻の毛までむしり取る経営より、全ての客が均等に負けることが、理想的な経営状態であることが分かります。
つまり、お店側からして、特定の客がずっと勝っているという状態は、早急に対処すべき重大な関心事なのです。
巷で、お店は誰が勝つか負けるかについて関心がないという人がいますが、大間違いであることが分かると思います。
したがって、お店は特定の客がずっと勝っている場合には、その客を負けさせる必要が出てくるわけです。
そこで
その手段として登場するのが遠隔です。
これを使えば一瞬で問題は解決します。
僕が経営者ならこんなの使わない手はないです。
そしてITの革新により、おそらく遠隔の技術も目まぐるしく進化しています。
顔認証を用いた特定の客の来店記録、勝率、収支くらいは、把握されていてもなんら不思議ではありません。
事実顔認証システムをホールに卸しているダイコク電気などの大手パチンコ機器メーカーのHPには、顔認証についての情報がたくさん載っています。
これらのメーカーの売り上げを見れば一目瞭然ですが、これらの顔認証システム付パチンコ機器の販売により、莫大な利益をあげていることからすれば、巷のホールでこれらの機器が広く導入されていることが分かります。
仕事の関係で、パチンコ店の防犯カメラを見る機会があったのですが、来店時の顔はかなりはっきり見えます。
さて、ここまではパチンコ屋の経営の目線から、遠隔について書いてきましたが、次はユーザー目線で遠隔操作について書いていきます。
長くなってしまったので、これは次回に譲ります。